VEとは
VEとは
VE(バリューエンジニアリング)は米国GE社発祥の問題解決の方法論です。IE(生産管理)・QC(品質管理)とともに、三大管理技術として位置付けられています。
日本でも、自動車産業をはじめとするモノづくり、建設業、高速道路などの社会インフラ分野で、大きな成果を上げてきたことはよく知られています。
VEの最大の特徴は「機能本位で考える」、ファンクション・ドリブンな思考プロセスにあります。
私たちが目にするすべてのモノ、コトには「仕様(スペック)」によってつくられています。これは目にみえる「カタチ」です。この「カタチ」の奥には、それが本来果たしたい「機能」が存在します。カタチにたいして「ココロ(本質)」といってもよいでしょう。
この「ココロ」を実現できるのであれば「カタチ」は無限にある。それがVEの発想です。
もう一つのVEの特徴が「リソース(資源)の最大活用」です。世の中にあるリソースには限りがあります。これを最大限に活用することが、私たちがビジネスで日々求められていることであり、より多くの人を幸せにする道であることはいうまでもありません。
VEではこの「リソース(資源)の最大活用」を価値の方程式を使って実現します。
Value(価値)= Function(機能)/ Resource(資源)
つまり、価値(ユーザーにとっての値打ち)とは「機能と資源の比」で表されるというものです。
同じ資源を使うなら、達成される「機能=働き」は大きい方が価値がある。同じ機能を達成することができるなら、必要とされる資源は少ないほうが価値がある。
この当たり前の真理を実際に実現しようとするには、大きな思考の転換と、体系的な方法論が必要とされます。VEではそれを3つのフェーズで実現しています。
●Function(機能分析フェーズ)
●Creation(アイデア発想フェーズ)
●Evaluation(評価決定フェーズ)
この3つのフェーズは10のステップで構成され、ファンクション・ドリブンな思考を導き、イノベーティブなアイデアを生み出します。このプロセスを体系的に構造化した方法論、それがVEです。
このようにVEは「機能本意で考える」「資源を最大活用する」「イノベーティブなアイデアを生み出す」方法論です。固定概念に縛られず、そもそも何を達成したいのかという「機能(ココロ)」から思考することは、相当な思考の体力が求められます。
VEに取り組む人たちが大きくキャリアアップし、人生が大きく飛躍する人が多いのはこのためです。いわば、VEは個々人のポテンシャルを最大限に発揮させる「能力開発システム」でもあるのです。